失敗から学んでいるのか?
「失敗は成功のもと」「失敗から学ぶ」など、これらの言葉が存在している理由は、人は過去の失敗(過ち)から多くのことを学んできたからです。しかし、それと同時に歴史上では同じ失敗(過ち)を繰り返しているということも紛れもない事実です。
二つの事実が存在するということは、人は失敗して、必ず学んでいるわけではありません。
失敗は成長に繋がっている
×「失敗」=「成長」
失敗したから、成長しているわけではない
これは成功についても同じことが言えます。成功体験は学びや成長の機会、自信などを与えてくれますが、必ずしも成長できているわけではありません。
いまいち、言っていることがわからない人もいるかもしれません。
ここであなたの周りの人のことを思い出してください。
なんで同じ失敗を繰り返しているなぁ~
そう、失敗から人は学ばない、すなわち成長していないのです。
失敗しても何も変えず、同じことすれば、同じ失敗を繰り返すことになります。
なんでいつまでも同じやり方をしているのかなぁ~
日々やっている方法よりも、さらに良い方法があることを知らずに同じことを繰り返していることってありますよね。
もしくは何も考えずに同じやり方を繰り返していることもありますよね。
そう、そもそも今のやり方が最適かどうか、自覚していない状況です。
なんでできていることがわかっていないのかぁ~
いろんなやり方を試して、結果としては良い成果がでているのに、やっている本人がわからずに見過ごしてしまうことがあります。
そう、成功からも人は学んでいない。成長していないのです。
では、人は何から成長しているのでしょうか?何から学んでいるのでしょうか?
それは「気づき」からです。
気づきの意味
ここで「気づき」の意味をみてみましょう。
それまで見落としていたことや問題点に気づくこと。「小さな気付きが大発見につながる」「日々の気付きが成長をもたらす」「生徒の気付きを促す」
言い方を変えると、気づいたことによって「今まで見えていなかったものが見えるようになる」ということです。
気づきの瞬間
さて、「気づき」とはどのような時に起こっているのでしょうか。
【誰もが経験したことのある気づきの瞬間】
- どれだけ考えてもずっと解けなかった問題が、ある日、回答方法が思い浮かんだ。
- ぼーっと歩いていたら急にアイデアが浮かんだ。
- 自分ではどれだけ考えてもわからなかったが、人に指摘されて初めて気づいた。
自分が気づいた時の多くは、突然「はっ!」となる経験をしていることが多いと思います。そして、気づく前と気づいた後では、人は別人のようになります。そう、自分の中で大きな変化が起きているのです。
自転車に乗れるようになってから、自転車に乗れないようにすることって難しくないですか?むしろ自転車に乗れなかったことがわからないという人の方が多いくらいです。
すなわち、「自転車に乗れるようになる前」が「気づく前」で「自転車に乗れるようになった後」が「気づいた後」のような感じです。
さて、「気づきとは突然降ってくるものなのか」と言われると答えは「はい」になります。
だからと言って、何もしなくても突然「気づき」が降ってきて、成長するなんてことはありません。目標に向かって努力している人、意識している人たちだけが気づくことができるのです。
りんごが木から落ちた瞬間をみて「気づいた」たったこれだけの出来事です。ニュートンは「りんごが木から落ちた」のを目の当たりにして万有引力を発見したわけですが、ニュートンが万有引力を発見する前までにりんごは何万回も落ちていて、何万人もの人が見ています。りんご以外にも同じように物が落ちる瞬間など世界では数えられないくらい起きているのに、このことから「気づき」を得て、証明できたのはニュートンだけです。物が落ちるところを見て、地球には引き寄せる力がかかっている!と発見できた人はいるでしょうか?
以上のことからもわかるように「気づき」は日々の何気ない出来事によって引き起こされることが多いですが、多くの人は気づくことができていないのも事実です。
気づくためには
知識を増やす
何も知らない子供がある日突然、高校数学の解答を思いつく、なんてことはありませんよね。
知識は増えれば増えるほど、「気づき」のための環境が整っていきます。
点として知識が増えていき、点と点がつながって線になる。そもそも点がなければ、線はできませんよね。点が多ければ、つながることもつなげることもが多くなりますね。知識を増やしていくことは大切です。
ただし、ただ知識をたくさん持っているからといって、「気づき」が増えるわけではありません。
注意を向ける
気づくためには注意を向ける、すなわち意識することが大切です。
例えば、相手が嘘をつくときの癖を知りたいとしましょう。注目するポイントを決めます。言葉遣い、声のトーン、手足のしぐさ、表情などなど、注意を向けるべきところはたくさんあります。人によって何かしらの癖はありますが、そこに注意を向けなければ気づくことはできません。
これと同様に気づくために、向かう方向に注意を向けて、意識することが必要です。
疑問を持つ
「なぜこうなっているんだろう?」あなたは普段から疑問を持つことはありますか?
- なぜ最近、駅のホームの椅子は方向がかわったんだろう?
- なぜあの人はいつも怒っているのだろう?
- なぜホットコーヒーには粒の砂糖で、アイスコーヒーはシロップなんだろう?
日常生活の中で、それをすることが当たり前になっていることって、なぜそうなっているかってあまり考えませんよね。
そのような当たり前のことから「なぞこうなっているんだろう?」と考える癖をつけてください。疑問が増えれば、解決しようと考え、調べます。意識することによって、気づきのチャンスが多くなります。
仮説を立てる
「これをしたらこうなるのではないか」疑問を持つことに似ていますが、仮説を立てることをしていますか?
未来のことはどうなるかは誰にもわかりません。しかし、仮説を立て予想することはできますよね。
そして、仮説を立てたことが、未来で本当にそうなるかの確率をあげることもでき、仮説をもとに出た結果を検証することができます。その際に気づくことができるチャンスが多くなります。
固定概念にとらわれない
「気づく前」と「気づいた後」では別人のようになりますと書きました。気づいた瞬間から考えや常識が大きく変わっているのです。自分の固定概念「普通、常識、当たり前と思っていること」が強すぎると、もともと持っている考えが邪魔をしてしまって、気づきを妨げてしまいます。
「これはAだ!」と思っていることに対して、少しの影響で「やっぱりBだ!」と変わることってあまりないですね。自分の考えを貫くことも非常に良いことも多いですが、気づきの足かせになってしまうこともあります。
気づけないと思わない
まず、気づこうという意志を持つことはとても大切です。自分には気づくことができないと思っていると、いつしか気づくための努力をしなくなり、いつの間にかそれが当たり前になってしまいます。意志を持って前に進む力は気づきにとって、とても大切です。
まとめ
成長は気づきから
「成功・失敗」⇒「成長」×
「経験(成功・失敗など)」
⇒「気づき」⇒「行動の変化」⇒「成長」
ひとつの経験からひとつのことに気づけるだけでも十分なことです。気づけない人は世の中にはたくさいんいます。
より多くのことに「気づく」ことが、あなたの成長への近道となります。